借金の時効援用の失敗に関するQ&A
Q時効の援用を失敗するのはどのようなときですか?
A
時効の援用を失敗するケースとして、時効期間が経過していなかったというものが挙げられます。
時効の援用は、時効期間が経過した後に行わなければなりませんので、時効期間経過前に時効援用を行っても、当然認められません。
なお、時効期間が経過しているかどうかは、最終返済から経過した期間を考えて判断されます。
また、最終返済日から優に時効が成立するだけの期間が経過している場合でも、これまでに裁判を起こされている場合には、裁判の時点から数えて時効期間が経過していないと時効は成立しません。
引っ越しをした等の理由で裁判所からの郵便物が届かなかった場合、知らない間に裁判を起こされていたということがあります。
そうすると、時効が成立すると思って時効の援用をしたのに、時効が成立しないという状況に陥ることがあり得ます。
さらに、債務があることを承認してしまうなどして、時効の利益を放棄してしまった場合も、時効期間の計算がリセットされてしまいます。
例えば、借入先から返済の請求があり、電話口等で「払います」と答えてしまった場合、債務承認をしたと見なされ、時効の利益が放棄されてしまいます。
Q時効の援用を失敗するとどうなりますか?
A
時効が成立していない以上、支払い義務があるということになります。
支払っていける金額であれば、一括で支払うかあるいは分割で支払うというのが基本的な方向性かと思います。
分割払いを行う場合、弁護士に依頼して任意整理の交渉を頼むのも有効な手段です。
支払いが難しい場合は、自己破産や個人再生も検討する必要があります。
Q時効の援用を失敗しないためにはどうしたらよいですか?
A
時効期間の問題があるため、時効の援用は後になって行う方が、成功率が高いということがいえます。
他方で、先述の通り裁判を起こされて、判決が出てしまうと、時効期間の計算がリセットされてしまいますので、遅くとも裁判を起こされたタイミングで時効の援用をしないといけません。
また、裁判を起こされたタイミングで時効の援用を主張したけれども時効が成立しなかった、という場合はそもそも時効が成立する余地がなかったということになりますので、どう返済していくかという方向で考えていく必要があります。
先述した債務の承認による時効失敗を避けるためには、借入先から連絡が来てもその場で対応はしないようにして、弁護士に対応を確認するということが大切になるかと思います。